journal

メンヘラおばさんの日常

メンヘラおばさん、障害者雇用を退職する

 はい。タイトルのとおりでございます、メンヘラおばさんです。

 6月に入っても錯聴の症状が治まらず、それによる睡眠不足、加えて体温が37度から下がらないという謎症状まで出てきまして、普通に働ける状態ではなくなりました。

 

 友人からのアドバイスも大きかったです。

「普通、休職制度がないことは採用時に説明するもんじゃないの?」

 この一言で目が覚めました。ホントそれな。

 

 で、支援者を通して退職の意思を伝えましたところ、「大変驚いています」「残念ですが退職に必要な書類を送ります」「お体を大事になさってください」という旨のお手紙が送られてきました。いや驚くなよ、2か月出てこない時点で察しろよ。お手紙はぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱にポイしました。

 で、添付されていた退職に必要な書類、つまりは退職願なんですけど。「付箋をつけた部分に氏名と日付を記入して返信してください」と書いてあるんですけどね。

 

一身上の都合により__年__月__日付で退職させていただきたくお願い申し上げます。

 

 ってなってるんですよ。

 私の退職理由をお前が勝手に決めるな。

 

業務の遂行に必要な合理的配慮及び安全配慮義務を受けられなかったため一身上の都合により訂正印)__年__月__日付で退職させていただきたくお願い申し上げます。

 

 もちろん書き直してあげました。優しいなー、私。

 

 ……と思ってたら鬼電ですよ。鬼のように電話がかかってくるんですよ。父が出ました。

「あ、退職願の件ですよね。……具体的にどういうことかお聞きになりたいと。はいはい。」

 具体的に説明してもらわないとわかんないんですか?

「まあ書いてあるとおりで、事前に窓口対応は無理だと伝えてあったのに、お客さん来ちゃうってことですよね。で、いちばん暇なうちの娘が対応することになるという。それと、あらかじめお願いしていた、疲れたときは休憩をとりたいという話ね。これも実現しなかったと。結局休みなしで、普通の人と同じように働いていたと。まあそういうことですよね」

 ですよねー。労働の現場にいなかった父のほうが詳しいってどういうことだよ。

「あ、あと確認なんですが。『一身上の都合』でないと退職ができないって、就業規則に書いてあるんですか?……ないですよね(笑)」

 父……!そこまで攻めろとは言ってないけど、グッジョブだぜ父……!!

「まあそういうことで。娘が出した書類のとおりで、受け取っていただけないでしょうか。よろしくお願いしますね」

 はい、というわけでね。お願いされたとおり受理されました。おめでとうございました。

 

 ぶっちゃけ、あと1か月病欠扱いで粘っていれば、失業給付もらえたんですよ。でも、そこまで頭が回りませんでした。

 7月になったら診断書の効力が切れる。そしたらあの職場にまた戻るの?「おはようございます、長い間ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。また頑張りますのでよろしくお願いします」って言って回るの?無理だろ。もう頑張れないだろ。想像するだけで吐きそうだ。

 会社が求めているのは、障害者手帳を持ってて、限りなく健常者に近くて、最低賃金で働いてくれる労働者。合理的配慮とか言ってるだけで、なぜその人にその配慮が必要なのか、考えることさえない。考えないから配慮することを忘れる。忘れてしまったらどうなるか。障害者側がひたすら我慢するしかない。身体か心が壊れるまで。

 

 まあそういうわけで7月1日、晴れて無職に戻りました。健康保険証も使えなくなったので、これどうしたらいいんだろ、支所に持っていけばいいのかな?と思っていたのですが、またまた父が会社に電話して確認してくれました。普通こっちから確認する前に向こうから指示があるもんだと思うんですが。もう何も言うまい。

 ……で、驚愕の返答が。

 

「保険証の受け取りもですが、こちらから渡したい書類もありますので、メンヘラさんのお宅まで伺います

 

 ……課長、バカか?バカなのか?

と突っ込みたい気持ちを抑えつつ、父が丁重にお断りしたため家庭訪問はなくなりました。

 

「あの課長さんヤバいな……メンヘラちゃんが電話にも出ず、顔も見たくないという意思を表しているのに、全く伝わってないな……それも100%善意なのが本当にヤバいな……」

 と、温厚な父が珍しく他人を批判する様を見ながら、ああ、辞めてよかった、本当によかったと、心から安堵したメンヘラおばさんでありました。

 

※蛇足:メンヘラおばさんが働いていたのは公的な機関です。民間企業ではございません。