メンヘラさんにとって地雷になりそうな本を見極めよう
こんばんは、メンヘラおばさんです。
書店や図書館に行くと、必ず精神医療関係の本棚を見ます。自分にとって役に立つ情報がないか、あわよくば読むだけで劇的に症状が改善するすんばらしい本が新たに出版されていないか、チェックするためです。
しかし、当然ながらそんな本はなかなかありません。むしろタイトルを見るだけでげんなりしてしまうような本がたくさんあります。どんなタイトルが私をげんなりさせるのか、以下に例を挙げます。メンヘラ各位がうっかり地雷本を買ってしまわないために、参考になれば幸いです。
「新型うつ病」がテーマの本
「新型うつ病」というワードが現時点で使われている本は見なかったことにしています。日本うつ学会のサイトでこのように書かれているからです。
結論から述べますと、「新型うつ病」という専門用語はありません。むろん精神医学的に厳密な定義はなく、そもそもその概念すら学術誌や学会などで検討されたものではありません。
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/qa/pdf/qa4.pdf
今のところ学術的に定義されてさえいない病名をタイトルにぶっこんでいる時点で、その書籍自体の信頼性が低いと見なしていいと思います。
たとえばこういうの
やねん!!が腹立たしさを倍増させています。破壊力がすごいです。
「軽症のうつ病」がテーマの本
うつ病に軽症の人なんかいるの?と思ったのですが、診断基準としてはあるようです。
そりゃーまあ、軽いうちに治せればいいですよね、どんな病気でも。
でも実際、休まず会社に行けてる間は、どんなにお気持ちがヤバめでも、なかなか受診には至らないのではないでしょうか。そもそも病院行く時間ないし、そんな時間があったら寝ていたい、何もしたくない。うつ病の始まりって、だいたいそんな感じじゃないですか。そういう自分の状態を客観視して、「今の私、軽症のうつ病かも。早めに治す努力をしなくっちゃ」なんて思える人、います?いないでしょ。たいてい、駅のホームで飛び込みたくなってからとか、満員電車で号泣したりしてからとか、手首ぶっちぎったりしてからでしょ、自分ヤバイと気づくのは。
この作者の名前よく見かけるなーと思ったんですけど、検索したらいろいろな意味ですごい人でした。肩書きの数と著作の数……。
同じようなテーマで何冊も何冊も何冊も本を出してる著者の本
これもげんなり基準に含めたいと思います。
現代医療ディスの本
現代医療に故郷の村を焼かれたのか、と問いたくなる著者、いますね。既存のやり方に疑問を抱き、もっと患者さんにとって良い医療を提供できないかと試行錯誤する姿勢はすばらしいと思いますが、著者がどんだけ製薬会社に喧嘩売っても読者の病気は治らないです。
いや、そういうあなたも精神科医なんじゃ……と思ったら
内科医かよ。
占い師かもしれない。
アドラー心理学の本
最近、なぜかこれが心理の棚に並んでいるんですよね。「心理学」とついていますけど、これ心理療法の本じゃないです。ビジネスマン向けの自己啓発書です。自己啓発書っていうのは、地上にいる人間様が、より速く走る方法を知るために買う本です。海で溺れている我々メンヘラが買う本ではありません。
そういえば、ちょっと前にTwitterで話題になった自称精神科医さんもアドラー心理学がお好きなようですね。
Twitterを見てたらドミニック・ローホーまで推してるので笑いを禁じ得ませんでした。あれ、断捨離と同じグループに入る本だぞ。
長くなりましたがこんな感じで。ちなみに今回ご紹介した本は、ドミニック・ローホーの本以外1冊も読んでません。もしも「そんなことないよ、科学的に根拠のある有用な本だよ!」という方がいらっしゃいましたらごめんなさい。