リスカするおばあさんは本当にいないのか
大人気の書籍「うつヌケ」を読んで以来、すごくもにょもにょした気持ちになってたんですが、もにょもにょの最大の原因となる部分に気がつきました(メンヘラおばさんは怒りを自覚するのにも、その原因に気づくのにも、数週間単位で時間がかかります)。
105ページ1コマ目に、精神科医ゆうきゆう先生の科白があります。
「リスカする若い女性はいるけれどリスカするお婆さんはいないでしょ?」
これ、本当にそうなんですかね。
思うに、今のおばあさん世代って、「リスカという手段を知らない」だけなんじゃないですかね。
リストカットって、60年代~70年代のアメリカがフラワーな感じになってる時代に、若年層を中心に目立つようになってきたんじゃなかったでしたっけ。それだとおばあさん世代は当てはまりませんよね。
リストカットって、経験者にとっては超絶スゴイ肉魔法なんです。
神聖かまってちゃん - 肉魔法〜あるてぃめっとレイザー! 2015.3.31 渋谷クラブクアトロ
肉体ひとつ犠牲にすれば
どでかい魔法がひとつ
消えたい願いと生きたい想い
ぶつけて解き放たれるのさ
1度手を染めてしまうと、あまりの万能さに何度も使ってしまう。おばさんになっても「いざとなったらあの秘伝の奥義を使おう……」と思ってしまう。だからおばさんになってもリスカする人はいますよ。少なくとも私はそうなので、日本に1人はいますよ、リスカするおばさん。このままおばあさんになったら、リスカするおばあさんになると思います。リスカ婆第一世代の爆誕です。
ただ、「おばさんになってもまだリスカとか……」っていう罪悪感があるから、周囲にばれないように隠します。医師のことを信頼していない場合は、医師にも隠すと思います。なので、ゆうきゆう先生はリスカおばさんである患者にまだ出会っていないか、出会っているけど隠されているか、どちらかである可能性があります。
あと、そもそもですけど。リスカする若い女性がおばあさんになってリスカしなくなったら、それで寛解って言っていいんですかね。
何度も言うけどリストカットは高次の肉魔法ですから、HPとMPを激しく消費します。加齢とともにそれらが足りなくなって、魔法が使えなくなるかもしれません。でも、それって「魔法が使えなくなっただけ」で、「魔法を使う理由がなくなった」わけではないですよね。もっとゆるやかな魔法、たとえばまともにご飯を食べなくなったり、身なりに気を遣わなくなったり、家にゴミをためこんだり、そういう種類の魔法使いにシフトしていく可能性がありますね。
そういうパターンを考慮せず、「リスカする若い女性」という固定化した患者像を作って、リスカしなくなったら寛解って言うのはちょっと……あまりにも……専門医としてどうなの……控えめに言ってすげームカつく……というような感想を抱いております。
うん、長ったらしくなってきたので、最後に短く怒ることにします。
ゆうきゆう先生「リスカする若い女性はいるけれどリスカするお婆さんはいないでしょ?」
メンヘラおばさん「お前が見たことないだけだろ」
以上です。