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メンヘラおばさんの日常

メンヘラさんはシャブ中さんの25倍死にやすいそうです

 「お前は何を言っているんだ」と思った人、文句は医療ジャーナリストの方にお願いいたします。

bylines.news.yahoo.co.jp

 私はかつて著名なブラック企業に就職してメンヘラーズに入団し、何年かかけて寛解し、数年前に官製ワーキングプア労働に身を投じた結果、見事再入団を果たしたんですけれども。

 いや、なんだか論調がすごく懐かしいですね。「そんなおかしな薬を飲むから病気になるんだ!」みたいな。その話、10年前にも聞いたよ。

 

 まあ、かつてのメンヘラ界隈には「いっぱいお薬処方されたやつが強いレース」みたいな風潮が確かにありました。南条あやさんがお薬アイドルみたいにかつがれていた時代です(ちなみに「お薬」ではなく「おクスリ」と表記されることが多かった気がします)。その結果、治すためではなく薬を手に入れるために通院するようになってしまう人が増えました。2ちゃんねるでは「どこどこの医者はリタリンをいくらでも出してくれる」という情報がやりとりされていましたし、友人が鶴見済の講演会に行ったら、壇上で鶴見さんがドボドボお薬を飲む実演を始めて、客席が爆笑したという話を聞いたことがあります。

 リストカッター界隈だと「大量に流血したやつが優勝」みたいな状態でした。当時の雰囲気は、たとえばこの本で知ることができると思います。

 当時とくらべると、現在の精神医療界隈はとてもシンプルになったと思います。というか、当時がひどすぎたからなんとかしなくてはいけなかったのでしょう。平成26年度には診療報酬が改訂され、多剤処方を行うとお医者さんが金銭的に損をするという仕組みになりました。なお、臨時投与などどうしても必要な場合はこの条件は除外されます。

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 こんな規制がなかったとしても、お医者さんとしては1種類2種類の薬剤でバシッと効いてほしいんだろうなと思うんです。それでも多剤になってしまうのは、ひとえに「それだと効かないから」っていう場合だけでしょうね。特に自立支援医療の給付を受けている場合は、病院・診療所は1か所、薬局も1か所に指定されますので、昔みたいに複数の医療機関を受診して薬をざかざか処方してもらう、なんていう芸当はできなくなっています。「精神科医が患者を薬漬けにしているんだー」とおっしゃる方は、いったいいつの時代の電波を受信されたのだろうかと心配になってしまいます。

 

 ……と思っていたら、時代の寵児たるこの方も電波を受信されていました。

 

 これ読んで、と言われても、最初の7文字で挫折しそうになるのがつらいところではありますけれども。

 

 まあ、私の場合1度寛解した経験があって、そのときは普通にスパーンとお薬をやめることができましたので、今の医師も処方も全く疑っていません。治るときは本当に治ります。まずは薬がちゃんと効くようになり、薬を減らしても効くようになり、薬を飲みながら普通に動いたり働いたりできるようになります。そのうち「薬飲むと眠すぎてしょうがないなあ」と思うようになったら、晴れてメンヘラーズ卒業です。

 

 今全然治ってない私が言うのもなんですが、現在服薬中のみんな、処方された薬を正しく飲んでいれば大丈夫だよ。いつか笑って卒業しようね。